令和7年度共通テスト試作問題数学1A数学2BCについての感想
松谷です。
令和7年度の共通テストの試作問題などが出ていました。(今の高1生以下が受ける共通テストの問題ですね。)
ということで、ひとまず、数学1A,数学2BCを解いてみたのでその感想を述べたいと思います。
ただし、試作問題としては、変更点があるものだけが差し替えられていて、それ以外は令和3年のものがそのまま流用されていました。
「数学1Aについて」
【全体】数1Aは全4大問が必答になりました。整数問題がなくなったので、図形と確率を必答することになります。制限時間は70分で同じです。確率より前の第3問に図形が来ていましたね。全体の時間はこの試作問題のままであればまあ難関大受験生にとっては大丈夫かなという分量でした。
第1問[1]数と式[2]三角比と図形 30点
第2問[1]2次関数20分[2]データの分析 30点
第3問図形の性質 20点
第4問確率 20点
※第2問[2]と第4問以外は流用でした。
【主に変更の大問に関する感想】
第2問[2]データの分析
新課程の変更点である、外れ値と仮説検定の基本的な考え方が加わった問題が出ていました。外れ値を含む散布図から適切な箱ひげ図を判定する問題が数えるのが面倒くさいなというものでした。手で直線を引いて傾きを考えなきゃいけなくて、さらに確認で第1四分位数までの数の10個とかの点を数えているとイライラしました。しかも変量の変換のところで点を加えたときの相関係数や標準偏差の変化とかを考えるところもちゃんと定義を知っておかないといけないなという感じでした。仮説検定の考え方はしごく簡単な問題で内容を知っていたらすぐできる問題でした。数2Bの仮説検定のところをしっかりやっていれば数1A用にわざわざ何かしなければいけないわけではありません。計算の代わりに表を使って確率を見るくらいですね。
両方とも塾のテキストの内容を消化していれば完全に対応できる内容でした。でも最初の方に時間がかかったので僕がやったときは10分かかりました。まあ昨年ほどトータル時間の圧迫がなくて一昨年ほどであれば問題とならないんだとは思いますが。昨年ほどだとこの10分があせりを呼ぶんだろうなと思いました。
第3問図形の性質
これは令和3年度のをそのまま持ってきているんですが、いつも僕は確率と整数を解いているので、実はこれ解いたことなかったかもしれません。結構難しかったです。図をわかりやすく書かないと詰まってしまうというか。あと、円周角の定理とかその逆とか、直角は直径とする円とか、方べきの定理とかその逆とか、共通テストに問われがちなところがあって、ちょっとだけ二次試験とずれているので慣れてないとパニックになるかもしれません。15分かかってしまうかもしれません。(僕もそれに近かったです。。。)図形はちょっと思いつきが必要なのは嫌ですね。短い時間じゃなければいいですが。。
第4問確率
これは今回新しく期待値という項目が入ったので、それに応じて問題が付け足されていました。条件付き確率と期待値が融合されて出題されており、状況説明の文も長文なので、少しだけ頭が混乱しそうになるかもしれません。でも、実際にやることはそんなに複雑ではないので10分前後くらいで終わらせられる分量かなと思います。これも塾の教材はずっと期待値を入れたままにしているので、大丈夫かなと思います。
「数2BCについて」
【全体】数2BCは最初の3問問が必答になり、残りの第4~7問の4問中3問を選ぶという形式になります。合計6問解くことになりますので、いままでより2問(実質1問)増えた分制限時間も60分から70分に変更になっています。第1,2問のうちどちらかが図形と方程式になる年もあるはずです。数Bの数列と統計的推測と数Cとされているベクトルと平面上の曲線と複素数平面のうちから混ぜて3問選ばせる形式という特殊っぷりですが、第4~6問を選べという意図を強く感じます。時間も、微積が配点高いんですが、全問題ともに10分くらいが目安で60分くらいで解くことを目指しておけばまあ大丈夫ですしょうかね。大丈夫な範囲かなと思います。
第1問三角関数 15点
第2問指数対数 15点
第3問微分積分 22点
第4問数列 16点
第5問統計的な推測 16点
第6問ベクトル16点
第7問[1]平面上の曲線[2]複素数平面 16点
※第5問と第7問以外流用でした。もともと第1問[1]三角関数[2]指数対数となっていたところが、第1問、第2問とわかれました。
【主に変更の大問に関する感想】
第5問統計的な推測
新課程に新たに入ってきた統計的な推測です。期待値や分散やその変換などを扱うところと、二項分布の導入から正規分布に続けて正規分布表をしっかり使えるようにしてから推定と(仮説)検定を学ぶというがざっくりとした内容です。試作問題はメインどころである推定と検定がそのまま問題になっていました。内容的には基本を押させていればできるかなというものでした。標本平均の分布、信頼区間の定義、仮説検定の仕組み、母平均の検定が普通に理解できていればできるかなといったところです。塾で数2Bで学ぶ内容そのものですね。ちゃんと記述しなくていいので、時間を短縮する練習はした方がいいとは思いますが内容的にはそのままですね。なんとなくこれまでイメージされてきた数学力とは少し異質なので、数学苦手な人にもチャンスが多い問題のような気がします。
第7問[1]平面上の曲線[2]複素数平面
第7問は前半[1]平面上の曲線と[2]複素数平面に分かれていました。
平面上の曲線は2次曲線、分数関数、無理関数、極方程式などが含まれると思いますが、そのうちの2次曲線が出題されていました。2次曲線の一般形が出題されており、それが係数の変化によってどのような曲線を表すかということが試されていました。b≧0という条件があるので、双曲線になれず、2乗の係数が同じときは円になり、b=0のときは放物線になるなどということを判定するのですが、しっかり理解していないと答えられない問題だったかと思います。
また、複素数平面の方は、極形式への理解と、複素数平面上での図形を表す式(今回は円)の理解、argの概念などもしっかりわかっていることなどが求められており、おそらく共役複素数などなどもちゃんと理解しておくべきで中途半端にさらっと触れただけでは解けないだろうなというような問題でした。
つまり、文系にとって第7問はアンタッチャブルな存在です。理系の人にとっても、ちゃんと理解していない人だと足をすくわれかねない問題だなと感じました。特にまだ過去問がほとんどないのでどんな出題かが予想しきれないことあるので、生徒側も手を出しにくいですし、おそらく共通テスト側の思惑としても第4,5,6の数列、統計、ベクトルを選択させたいんだろうなと強く感じました。しかし、文系にとっての数Cの存在がのくわからんなあ。ベクトルと複素数平面と平面上の曲線に優劣はまったくないのかな。。
はい。とりあえず解いてみて感じたことでした。分析というほどではないですが、僕自身の備忘録がわりに残しておきます。もしよければ参考んにしてください。