2021京大理系数学 出題意図は?
松谷です。
京大の2021 の理系数学から1問解説してみたいと思います。
ちなみに、京大は出題意図を公表してくれています。
役に立つかはわかりませんが、そらそうだよねという意図が書いてあります。
さて、どれでもいいのですが、やや京大臭がする2021年京大の第5問を取り上げてみます。
こんな問題でした。
本当は京大はもうちょっとさらに一般的な設定が好きだと思います。たとえば、弦BCが2√3である。とか、(1)を省くとか。
こらへんの誘導があることで、道具が割と座標に限定されるような印象がありますし、座標にしても自分から計算が楽になるような設定を考えたりしないでよいです。
さらに、垂心をどう扱うかという最大の肝についても、外心をできるだけ使いなさいよという親心が感じられ少しコロナ禍で苦労していた受験生への配慮を感じます。
一般に京大の図形の問題なら、ベクトル、座標、幾何&三角比、複素数平面の道具選択の中から楽そうなのを選ぶという面が軽減されているということです。
でも、座標に限定しているといっても実際(1)は幾何が主な道具であり、(2)はベクトルと座標が半々みたいな感じなので、道具選択の妙は残されているとも言えます。
ちなみに、自分が書いた
解答はこんな感じです。
(1)は角度一定からどうやっても円周角の定理が想起されます。
また、円がらみで良く使う知識のうちの1つ、「弦の垂直二等分線上に円の中心がある」を使ってやれば見えますね。(もう一個良く使うのは「直角は直径」です)あとは、弦の上側の話だよというのを断ってやると。
(2)は外心が原点よりAの方程式がすぐわかってしまうわけですね。
あと、Hをどう表すかですが、、もちろん垂線の交点を無理やり連立方程式を解いて求める!わけがなくて、ベクトルの知識を使うのがいいですね。外心と垂心には素晴らしい関係がありますしね。
ただ、自明としていいかわずかに怪しいので証明を後付けでもいいのでつけといた方が安全です。
で、最後は連動系の軌跡の話ですね。Aの範囲をHの軌跡の範囲をちゃんと反映してあげましょう。
正確にいうと、「条件式を満たすX,Yが存在するような(x,y)の集合」が求める軌跡ですからね。
ベクトルの足し算なので直接Aの軌跡に(0,-2)を加えて上げるっていう直接的な考えでもいいかなと思います。
簡単といえば簡単な問題ですよ。
でも、これくらいの問題が合格するかどうかのギリギリラインの生徒にとっては意外と差がつく問題だというのが僕の認識です。