いくつかの重要事項の理解と運用を問うている入試問題は教育的。
松谷です。
大学入試を解いたり採点したり質問を受けたりしているときに、
「いやあこの問題は重要事項をちゃんと理解しているかをしっかり問うている教育的な問題だなあ」と感じることがあります。
実際大学入試というのは、選抜という機能がメインだとは思うんですね。
だから、上手く振り落とすことができるように、ミスしやすいようにしたり、処理が多くて大変なようにしたり、細かい知識を問うたり、そんな問題が結構多いとは思います。
でも、難関大の問題の中には、受験生として高校数学を学ぶときに重要な事項ちゃんと理解しているか、それを組み合わせて使えるのかをまっとうに試している問題もあって、そういう問題を見ると教育的だなあ魅力的だなあと感じるんですね。
そして教育的な問題というのは、結局選抜機能も十分に持っていると感じるんですね。
東大とか京大とか阪大とか東北大とか九州大とか東工大改め東京科学大とかそのあたりの問題には、そういう問題がしっかり混ざっていると感じるんですね。もちろん面倒くさいだけの問題が0とは言いませんけどね。そういうのを見るとああいいなって。しっかり理解して真っ当に勉強していく大切さを感じますね。
今日、隙間時間に見ていた東大の問題は、一つの問題の中で、
平均値の定理を評価の道具として使っての極限を求めるという高度典型問題を少し変形した問題の中に、いろいろな関数の微分、グラフ、多変数関数における文字固定、数学的帰納法、中間値の定理、数3の有名不等式がしっかり使えるかが問われていました。さらに、割と原始的だけど重要な、定数と変数の違い、不等式と値域の違い、グラフや式の意味などもちゃんと理解しているからこそ証明などしやすいなと感じましたね。
一つ一つは間違いなく学んでいることなんですけど、それらを一つの問題の中でしっかり反応して使うことは簡単ではないです。でもそれらをうまく使えたときに、自分の成長もとても感じるんじゃないかなと思うんですね。それが初見になるのか、復習しているタイミングになるのかは人によりますが。