2025大阪大文系数学と2025神戸大文系数学
松谷です。
ちょっと親族の結婚式などで東京にいったりしていて、しばらく何も数学をしていなかったので、
何もしてなすぎるなと思って、ちょっとだけリハビリがてら文系数学を解いてみました。
大阪大の文系数学と神戸大文系数学ですね。
まあ正直大阪大と神戸大の文系数学の難易度だと、うちの塾の演習1クラスでもちょっとやりすぎかなという印象もあります。
しかし、たまに難しい年もあって何とも言えません。たとえば大阪大の去年の文系数学は結構難しかったなと思います。今年はどんなだろうか。
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2025 大阪大文系数学
全体 90分で3問。非常に問題数が少ないので、苦手分野とかいうのがあってそれが出ると辛いという印象です。今年はというと、
第1問ベクトル第2問数列第3問微分積分というかんじでした。恐ろしく難易差がはっきりしています。はっきりいって第1問、第3問は計算間違いは怖いものの誰でも出来て、第2問の数列の問題はほとんどの阪大文系受験生にとっては厳しいものだったんじゃないかなと思います。時間がきついということはないと思います。
第1問垂線の足が線分上にある条件。
第1問は理系との共通問題のベクトルでした。理系と共通とはいえ、ただの内積の定義、垂直だから内積0の計算。あとは、線分上にある条件をtで表して二次不等式を解くだけという問題です。難易度としては易しいです。あとは計算が合うかだけですね。第2問が手がつかない人にとっては、この計算を死んでも合わさないといけないですね。
第2問漸化式を満たす数列の性質の証明
難関大では、漸化式は解くのではなく、それを使ったり、それを示したりといったことが定番です。与えられた漸化式は解きがたいタイプの漸化式には見えます。公比のところにnの式があるので、何回もつかうことで階乗みたいなのを用いて一般項を表すことはできなくはないですが、そんなことを求められているわけではありません。あくまで与えられた式の証明をすればいいんですね。(1)では、左辺と右辺を見比べたらk+1とkやl+1とlがありますから、素直に漸化式を使ってやったらいいんじゃないかなと思ったらビンゴですね。これでもなれない文系受験生にとってはやや難しいかもしれません。漸化式を使うことに思いが行きさえすれば標準ですが。(2)はよくわからないシグマ計算をしたら1になるという証明ですね。ふ~ん、よくわからないです。こういうときは具体的に状況を把握するためにn=1,2,3など入れて状況を調べるのが定石です。でも調べるだけではよく分かりません。当然(1)の利用を疑うわけですね。そうしたら、構造がつかめるわけですね。あっ各項に使ったら、次の和が出るわ。あ~帰納法で書けそうねと。あとは、さらさらと書いてあげればいいだけですね。質的に難しい問題に取り組んでいく演習2クラスの導入の問題としてちょうど良いくらいの問題だと思いますので、考えるところがあって面白いなとは思います。つまり文系受験生にとってはつらいと思います。やや難から難といった感じなのかなと。これは(1)くらいしかできない生徒が多いかなあ。
第3問接線や線分と放物線が囲む領域の面積
接点のx座標をtなどと設定して、接線の式を設定して面積SとTを求めるだけですね。その差の式を微分して終了。ちょっと工夫するとしても1/3公式が使えるように変形したり、y軸対称なので、t>0で考えてよいとか最初に言ってやるくらいでしょうかね。極値をとるx座標もきれいだし。合わせられるかなと思います。易しい問題です。
う~む、第2問(2)をできるくらい修練を積んでいる一部の(おそらく5%以下。いやもっと少ないか。)の生徒以外にとっては、第1問第3問のミス勝負なのかなと思います。う~む。もうちょっと適度にばらけるようにできんもんですかね。。
つづいて、神戸大文系数学です。
神戸大文系数学といえば、イメージでいうと、阪大文系数学と実質的にそんなに差がなかったりするのかなとも思いますが、今回はどうでしょうか。正直あまり詳しくありませんが、勉強がてら見てみました。
2025 神戸大文系数学
全体80分で3問です。阪大より10分短いですね。見てみましたところ、かなり易しい問題も多く、結構ケアレスミスが勝負を分けるという感じですね。あんまり数学力を綺麗に反映するというようには見えません。ある程度の数学力があったら、しっかり本番正解しきるという丁寧さが必要ですね。数学力があったとしても油断してミスったら致命的ということです。特に今回であれば、第3問を丁寧に合わせられるかが合否を分けるように思います。3問全部合わせられたらかなり有利だとは思いますが、数学だけで勝負が決まるというタイプの問題ではないかなと。
第1問 3次方程式のグラフや解
う~む、基本そのものですね。あらゆる基本問題集の例題みたいな。(3)はパラメータ分離をするまでもなく、極大極小が異符号で終了ですね。易しいですね。答えもきれいですし、確実に完答したいですね。
第2問数列の少数部分の性質
丁寧に数列の少数部分とはどういうものか求めよというのが問題にしてくれています。不等式は証明は同値変形して2乗したもので考えまるとよいでしょう。√n^2+1がnとn+1の間にあることから、nが整数部分です。小数部分が一致することはないことの証明です。存在しないの証明は難しそうですから、背理法がでしょうね。bn=bmとしたら、n=mになってしまうので、ことなるn,mという仮定に矛盾しますね。(2)まではとても易しいです。(3)は標準的で出来が分かれると思います。
第3問 単位円上にある点が条件を満たす確率
(1)一直線上にある条件は、tanが一緒ということですね。結局a=bに帰着します。やや易しいです。(2)は面積1/4以下ですが、1/2absinθの式を使って面積を考えれば、角度がπ/6か5π/6のときだとわかりますね。三角関数不等式を工夫して解こうとするのではなく、a=1などに対して、bがどこにあるか考えればいいですね。標準的です。(3)距離1以下というのは、角度がπ/3になるところのことですね。これももう地道にa=1,2,3,4,5,6と調べたら終了です。所詮36通りですからね。数え間違いやすいので、標準ちょいプラスくらいかなと思います。
阪大とか神大の文系数学などを見ているとある意味共通テストの方が難しい部分もあるなと思います。彼らにとっては、まったく違うタイプの問題で、しかも同レベルもしくはやや難しい共通テストの問題を対応しなければならないというのは結構負荷が高いことだろうなというのを思いました。