2024東大理系数学東大文系数学所感

松谷です。

昨日東大理系数学文系数学と京大理系数学京大文系数学を解きましたので、その所感について書きたいと思います。この記事にはまず東大数学の方を書きます。

なるべく解答そのものは入れないようにしていますが、先入観を入れたくない人(これから演習で解く人や受験を受けたばかりで見たくない人)などは見ない方がいいかもしれません。お任せします。

また、家で解いているため難易度の感覚が試験場で解いているのと少しずれている可能性もあります。試験場で解いている人が一番偉いので。ただこれは自分のなかの経年比較のために残しているだけですのでご容赦ください。いつも昔から思っていましたから。標準ってなんだよって。実際再現答案みたら標準問題なのに、完答100人に一人じゃねーかよ。誰にとって標準なんだよって。ふざけんなって。

予備校さんのページのリンクを張っておきます。問題とか見れます。

河合塾解答速報

主要大学入試解答速報|大学受験予備校 駿台予備学校 (sundai.ac.jp)

東大理系数学

全体

全体としては昨年度や一昨年度より取り組みやすくなったと思います。発想力の面でハードルが下がったためです。ただ、計算量は少なくとも同じくらいあるなという感じですので休まらないです。正直計算スピードと正確性に左右されるイメージです。難しい計算というより単純計算が多いなと感じました。理1,2なら3問合わせたらきわめて有利、理3なら4問でしょうか。ただ計算ミスがらみがどれくらい部分点で拾われるのかがわかりません。僕は部分点などで1完で90点くらいの点数が来ているのは見たことがありますし、今回も去年に引き続き小問もいっぱいありますから、完答が少なくてもどくらい部分点を拾えているかも重要です。

 

第1問 空間において条件を満たす点が動く領域

最初図を書いてみて、円周角の定理などを駆使して、幾何的に何かやったら楽になるかなとも思いつつ、結局座標を置いて角度の不等式を表現してあげたらいいですね。cosを内積が用いてやるのが楽そうな気がしてそれをで処理しました。図示は楕円など出てくるので慎重に。不安があれば代入して確認したり明らかにおかしくないかを図で確認。標準からやや易しいといった感じでしょうか。

第2問 絶対値つき定積分

(1)ではtがxが混ざった関数ですから積分区間を分けて絶対値を外してから積分してあげるお決まりの作業をしたのち微分ですね。(2)は(3)のための計算用のtanπ/8を求めます。図形的にやってもtanの加法定理をやってもいいし、覚えている人もいるかもしれません。(3)は(1)のところが極値かつ最小であることを増減表を書いて述べたあとに、最大値のところがどっちが大きいか比較ですね。お決まりの置換積分なども出てきてまあまあ計算量が多いと思います。標準だとは思いますが、(3)をちょっと後に回すかどうか迷いますね。量的に。

第3問 確率漸化式

理系ではすごく久しぶりに確率漸化式が出ました。10年ぶりくらい?忘れたころに出すのが東大らしいですね。調べて偶奇の状況の違いをつかむことがまず大事。そして、(2)の誘導を意識しつつ、偶数や奇数のときのそれぞれの4種類のなかをさらに2パターンにまとめてあげるのが良いかなと思います。そうすれば処理しやすいです。これは(2)のときに状況をちゃんと調べなければいけないんですが、推移図書くだけで結構面倒で、調べるまでに15分くらいかかるイメージですので根気がいりますね。純粋な難易度としては標準的なんだろうと思いますが、これも(2)の記述をしっかりするとか(3)の最後までたどりつくとは結構時間的にハードです。僕がやっているときは(3)と(2)がほとんど同時進行で出来ていくような感じになりました。

第4問 放物線と接する円

放物線と接する円ですね。普段なら代入して判別式などで処理したくなるのが放物線と円ですが、今回は中心がずれた円で、共通接線をもつみたいなストレートな話なので、法線が中心を通りつつ、その距離が半径になっているみたいなのを連立したらいいですね。(2)はひたすら計算して4次関数でパラメータ分離したみたいな形になっています。微分した3次関数が因数分解できて一安心という感じです。純粋な難易度的には標準くらいなんでしょうけど、単純に計算量がかなりあるので今回の全体の問題セットを考えると(2)までやりきれている人はそんなに多くないのかなと思います。

第5問 空間における三角形の回転体

一時(25年前くらい?)入試で大流行した空間上における三角形の回転体です。回してから切るのは切ってから回すのと同じなので後者で考えましょう。3つに場合分けがありそうですが、最短距離と最長距離を考えたら結局2つの場合分けと一緒ですね。慎重に合わせたいです。これでしたらだいたいの概算計算をしてでも値があっていることに確信を持ちたいですね。東大受験生はこういうのやり慣れてそうな気はしますので、計算が合わせられるかで明暗を分けますね。難易度は標準だと思います。

第6問 関数値が素数になる条件

京大のような雰囲気の問題です。(素)因数分解されているので素数になるなら1か-1だなみたいな検討ができます。(2)はかなり難しいです。(1)の流れのなかで場合分けして一般で示します。僕はx^2+ax+bに1と-1をいれたやつの正負で場合分けしてy=1,-1を定数分離みたいにして検討してできたつもりだったのですが、もしかしたら議論的に穴が出てしまっていたかもしれません。。引き算して検討して矛盾を導くのが良いようです。僕としては(2)は難しいと感じました。

 

 

東大文系数学

全体

何か小問が多かったり、京大っぽい問題があったり、計算問題があったり、知識問題があったり少し傾向が違うなというように感じました。難易度は去年よりは点数が取りにくいような感じはしましたが、その前までの年と同じくらいでしょうか。1,3,2(1)をしっかりとるのが文系受験生としては大事で、あとは数学得意な人がやることですね。

 

第1問 円と接する放物線

放物線と円が接するというテーマですね。共通接線をもつという話なので、関数値と微分係数が一致するという話ですね。b=0は直感的にも明らかですが、式で示しましょう。(2)では切片が汚いので、1/6公式を使っていくのがいいかなと思います。(3)で(2)の面積が√3以上を示せという問題が出ますが、両辺正ですから2乗して整理して0以上を検討してあげたらいいですね。何より最小値がぴったり0になることに安心感を得ることができます。標準的だと思います。

第2問 指数不等式を満たす自然数

京大っぽい問題です。(1)は指数を主役にしますから常用対数をとればいいですね。与えられていますから。(2)が本題で、4^mという子分がついていますので、そこを検討しなければいけません。しかしながら、5^mと4^mはmがある程度大きい世界ではかなりの大小差がつきます。ですから実際には(1)と近い値になるだろうことを推察しながら臨むことになります。(1)付近の数字を調べて自分の示したいことに向けて自分で不等式を作って示してあげることが大事です。しかし、文系の生徒はこういう不等式の作り方に慣れていないことが多いので、そんなに簡単ではないかなと思います。論理が不十分でも答えを合わせた答案に対してどのくらいの点数が与えられるのかはわかりませんが、、。標準とやや難くらいの間でしょうか。

第3問 三角形のひとつの角度が一緒になるときの座標の条件

角度が一緒という条件を式に表します。角度が一緒はいろいろな方法があります。幾何的にa:b=c:dみたいなのを使う方法や対称点をとる方法もあれば、tanが一緒とかcosが一緒などを使う手もあります。どれがラクかなというのを検討することになりますが、真横に考えればtanがすぐ計算できそうなのでそれでやるのがいいかなと思います・。あとは計算するだけといえば計算するだけです。(2)も因数定理で整数値を見つけた時に安心すると思います。(3)ははっきりいって(1)ができた人のためのボーナス問題です。なんなんだろこれは。標準です。

第4問 円に内接する正多角形の内部に作る四角形が中心を含む確率

これは高度知識問題ですね。。。う~ん。円内に鈍角三角形ができるときの確率のやり方とほぼ同じです。これ初見だと無理ちゃうかなああ。。。。知ってたら誰でもできますが。。。嫌な問題だなあ。。。ここまでちゃんと勉強しきるのは大変なんでほとんどの文系受験生が手が回ってない気はしますが。。。初見難易度だと難くらいですが、知ってたらそのままなので標準になってしまいます。

 

 

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