2024京大理系数学京大文系数学所感

松谷です。

東大数学に引き続き京大理系数学、京大文系数学の感想を述べたいと思います。

なるべく解答そのものは入れないようにしていますが、先入観を入れたくない人(これから演習で解く人や受験を受けたばかりで見たくない人)などは見ない方がいいかもしれません。お任せします。

また、家で解いているため難易度の感覚が試験場で解いているのと少しずれている可能性もあります。試験場で解いている人が一番偉いので。ご容赦ください。

予備校さんのページのリンクを張っておきます。問題とか見れます。

河合塾解答速報

主要大学入試解答速報|大学受験予備校 駿台予備学校 (sundai.ac.jp)

京大理系数学

全体 最近の京大は解きやすい普通の問題が多く出ていましたががらっと傾向を変えてきました。従来の京大っぽい問題が目白押しです。さらに、良く分からないですが極限を求めよのオンパレード。なんと3問。難易度は評価がしにくいですが、ボーダー受験生は去年より点数を取りにくいと思いますのでそういう意味ではやや難化しているといえます。難化というより変化が大きいですね。京大にしては独立小問じゃなくて誘導小問も多いですし。やはり3問取れば安心できるんだと思います。しかし、気になるのは、5と6だけ40点で、あとの1,2,3,4は30点なんです。配点が今までにはない試みですね。やっぱり100点が欲しいというラインですね。70,80点くらいだと苦しいかも。

第1問 立方体に色を塗るときの確率

問題文を読み間違えないようにすることが大事ですね。1番は塗るのに4色以内の色を使ってよく、隣り合う面が同色にならない確率は?という意味です。つまり全事象が4^6通りなわけですね。あとは第1面として底面きめて、第2面として側面のひとつ決めて、第3面としてその横の側面決めてという感じですね。第4面を何を塗るかで場合分けが発生しますね。(2)では同じようなのをn色でやったときの極限を求めます。慎重に場合分けしつつ、一般のnで表します。それの確認が(1)のn=4の場合でできて安心ですね。極限は1に決めってますね。だって無限色使ったら、隣同じいろになるわけないですもの。1にならなければミスが見つけられるので安心です。難易度は標準なんでしょうけど、ミスが連発すると思われます。しかしそのミスを防ぐ手がなんとありました。(2)はなんと極限を求めるから一般のnでの確率を求めなくてもはさみうちの原理で良かったんですね。ちなみに確率で一般項を求めたあとに極限を考えて妥当性チェックするのは検算の基本行動の一つです。

第2問 複素数平面上の変換後の点が動く面積

複素数平面は道具として、回転を使えるベクトルとしての側面と、座標的に扱える図形と方程式的な側面もあると思います。純粋に幾何的に考えることもあります。さて今回のは素朴にベクトルの足し算をするようなイメージで足し上げてあげるのがいいわけですね。そうしたら一瞬で答えがわかります。x/2+y/2としてもいいですし、x+yを求めてから1/2倍に縮小してもいいです。面積は1/4ですけど。慣れている人だと、記述含めても5分でできてしまいます。しかし一方で方程式方面でしか考えられないと大変かもしれません。難易度は標準ですが人によっては易しいです。補足プリントとかでこういうのしっかり扱っているんだが伝わっているといいんだけれど。。

第3問 空間上での2直線がねじれの位置にある条件

直線がねじれの位置にあるということは同一平面上にないということなので、共面条件を考えればいいですね。3点でできる平面上にもう一点がない条件を考えればいいですね。始点はOでもなんでも。Oなら係数の和が1で同一平面ですね。題意の言い換えさえできればやれると思いますが、そこが肝ですね。標準だと思います。

第4問  特殊な数列の項の性質

(1)という誘導がありますので、数列の構成をまあまあ調べることになります。そうすると調べているうちにa0がどういう状況にあるときにa1も奇数になるのか、そしてさらにその次の項が奇数になるのはどういう状況のときなのかというのがわかりますので、そこから分かった規則をもとに(2)で一般の場合について示していくというのが求められるわけですね。昔の京大らしい問題で難しすぎない適度に差がつく問題だと思います。標準的でしょうか。京大っぽい問題に慣れてない人にはやや難でしょうか。てか偶数側の一般項使わんな。。。

第5問 カテナリーなどで囲まれる面積

カテナリーとそれのマイナスバージョン(大学で学ぶ人は学ぶ双曲線関数というやつですね)などで囲まれる面積を積分で求める問題です。交点を出すのに、まず指数方程式を解かないといけませんね。このあたりが双曲線関数の扱いに慣れているなら気にせず出来ますが、はじめての作業だと少し戸惑います。あとは、まあ引き算して求めてあげるのがいいかなと思います。(2)ではそれの極限値を求めます。極限値を考えるときには不定形に注意です。不定形は2種類でてきて、∞×0の不定形と∞-∞の不定形です。∞-∞の不定形の方はあっさり処理できますが、∞×0の方少し戸惑います。aをlogの真数の指数にのっけてあげたらむむ。1^∞の極限になります。そうか、e絡みかなということで、(1+1/t)^tの形になるように変形してあげたところ計算したらe^0とかになって1になってしまう。いやそんなしょうもないことありますか?と疑心暗鬼になるような問題です。第1問といい第5問といい極限値がカンでも当たるような値なのがなんとも嫌です。本番だったらなおさら。やや難なんじゃないでしょうかね。

第6問 数列でn桁になる項数とそのうち最高位が1となる項数の比の極限

桁数と最高位の話ですから対数をとりますよね。でも常用対数が与えられてないですね。そうか自分でlog10の2を不等式ではさんで出すのかなと思いつつ、でもとりあえず概況つかむために0.3で計算実行。そうしたら、いつもの作業として桁数nになるやつの不等式を作って、最高位1になるやつの不等式を作った段階で気づきました。あれ、これ約0.3とかじゃだめだわ。ということでそのまま常用対数を使って同じ議論をしてやれば極限が出てきますね。極限なので多少不等式を大胆に使って値を出してあげられますね。やや難なんじゃないでしょうかね。

 

京大文系数学

全体

全体としては去年よりは定型的な感じが減ったのでわずかに難しかったんじゃないでしょうか。バラエティに富んだ問題といった感じです。しかしある程度手はつく問題もあるので、得意に応じて取り組んでいくという感じです。2完と1半くらい欲しいかなと思います。

第1問 四面体の体積

東大と京大で20年前くらいに出たような四面体の体積ですね。対称面がある立体は対称面で切って考えると考えやすいです。底面二等辺三角形で、その中心の線上に垂線の足も来ますからね。ただ、90度があるので軸にのっけて座標設定するのも有力です。いずれにせよあとは計算するだけなんですが、一辺がなんと4乗根になります。激しくミスを疑います。そして、そのあとの高さを出す計算も結構ミスりまくりそうな計算のオンパレードです。う~む。これってでもめちゃくちゃ汚いまま整理せずにこれが答えですって言っても理論的には減点できないですがどうなんでしょうか。そして、ここで出ました。答えが二重根号。10年前くらい?に東大文系で答えになった震撼を与えたものがここで再び。三乗根や二重根号は解にになることがあるからね。と忠告していたもののまさかこのタイミングで4乗根に二重根号両方。う~む。この計算を文系の人が完遂するのは結構難しいイメージですので、やや難かなと思います。

第2問 立方体に色を塗るときの確率

確率の文理共通のやつ。しかしこれ一般化がないからよりミスに気がつきにくいと思います。その代わり3色での塗り方が追加されているので、そこでミスを防止できるか。いやあ当たるか当たらないかという問題です。標準なんでしょうけど、ミスが頻発すると思います。

第3問 絶対値つきの関数がとる最大値

ザ京大文系重要基本問題という感じですね。匂わせぶりに式の中に同じ形がありますね。でもいずれにせよ絶対値外さなければいけなくて、しっかり因数分解できることがポイント。そうしたら、二次関数の係数正のものと負のものとの足し合わせになりますからあとは定義域の-1~1というのを考慮して慎重に場合分けすれば出来上がりですね。努力が報われやすい問題だと思います。難易度は標準的でここは取りたい。

第4問 n進数の桁数が一致する条件を満たす最大の自然数

8,9,10進数とありますが、8進数が早く桁があがっちゃって10進数が桁が最後に上がりますから、8のn乗と10のn-1乗を比較すればいいですね。あとは対数とって計算すればいいです。でもここで鬱陶しい問題が二つ。まず問題文で与えられているlog10の3の値いらんでしょう。。。いじわるですなあ。あと、答え!!!これが一番いやがらせでしょ。8^10計算するかめちゃくちゃ迷うじゃないですか。。もし計算んしないでいいなら計算しないでいいと言ってくれないとわからんし、貴重な時間を3~5分くらいはかかりますよこれ。なんという受験生泣かせ。問題自体は難しくないのに。。難易度自体は標準だと思います。文系はこの手の不等式を扱いなれてなさそうですが。

 

第5問 放物線と直線が2交点をもつ条件

もろ解の配置です。しかも異なる二点ですからもうそのままです。あとはa,b正という問題文の記述に注意して該当部分の領域を把握する。あとはそのまま積分計算ですが、交点の座標汚い。しかし工夫するというよりはそのまま計算です。最後の答えはある程度きれいですが、途中式が少し汚いので不安がよぎります。難易度は標準です。

 

第1問,第5問と答えが汚くて、第4問疑心暗鬼にさせるし、第2問合ってるかどうか終わってみるまで不安だし、第3問は取らないと厳しいし。う~む、ちょっと意地悪な感じもします。

 

2024京大理系数学京大文系数学所感” に対して2件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    京大理系数学1番って独立性を明記してないから解答不能なんだが

    1. 松谷学 より:

      受験者が判断するということかと。。

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