共通テストと二次試験の違いに注意しつつ必要なバランスで勉強する

松谷です。

冠模試と言われる二次試験型の模試がひと段落して、ここから受験生は少しずつ共通テストモードに入っていきます。

共通テストが重要かどうかですが、

それは人や志望校によるというのが正直なところです。

 

東大や京大など共通テスト割合が低い大学であれば、共通テストを重視しすぎて仮に高得点をとったとしても、二次の学力がまったく届いてなければどうしようもないです。

 

たとえば東大であれば1:4の比率で、共通テストが900点を110点に圧縮するのに対して、二次試験440点がそのまま440点として入ります。ということで、二次試験の漢字などの一番小さい小問2点分の価値というのは、だいたい共通テストの素点でいうと18点分くらいに相当します。逆に、共通テストの素点の30点くらいのビハインドは3点くらいのビハインドになるわけで、たとえ共通テストで少しよかろうが二次試験できなければ一瞬でそのリードは消えます。

 

だから、対策はもちろんしていきますが、ある程度二次試験のカンを残しながら対策しなければなりません。(しかしながら、それくらいの対策重視度であっても皆がある程度高得点をとっているのも確かです。8割~9割ちょっとにはなっています。つまり、基礎力が高くないとだめってことですね)

 

一方で、国立医学部志望の人は少し事情が違うかなと思います。

 

これまでも共通テストやセンター試験7割くらいで国立医学部志望の人が何人かいましたが、基本的に苦しい結果に終わっています。(2022年度の共通テストは難易度がインフレしていたのでそれは少し別として。)

 

難関の国立医学部を受かる人は基礎力がかなり高いので、そもそも7割くらいという点に落ち着くことがなくて、普通にやって多少失敗しても8割~9割ちょっとくらいの間に落ち着きます。7割くらいというのは穴だらけの学力であり、基本的には実力不足で届きにくいです。

 

ただ、現実的な医学部志望であるということは、二次試験などが強くて共通テストに失敗して7割くらいというケースも多いわけです。

 

でそういう人が少し下げて難関医学部でないところ、つまり地方の医学部などを受けると、今度は共通テストの割合がぐんと高まって共通テスト7割というのがめちゃくちゃ大きな足かせになります。

もちろん志望を下げて地方の医学部の中で戦うにあたっては、二次力としてリードしている面があるわけです。しかし、これも地方の医学部の二次試験は標準問題が中心となり、二次の学力の中でもレベルの高い問題を解ききる力よりはミスなく標準問題を解ききる力が大事で、二次力のアドバンテージが生きにくい高得点勝負となり、しかも共通テストビハインドを背負った状態であるためわずかなミスも許されない戦いとなってしまうわけですね。4問中3問易しめ1問超難問であればまったく差がつかなかったりしますしね。また、共通テスト割合が5割近いところであれば、超高得点をとったとしても届かないケースもありえます。

 

ということで、国立の医学部志望の人は共通テストには万全を期してしっかり高得点をとることが重要なわけですね。今年は東大京大志望が多くて、国立医学部志望の人がいないような気はしますが。。

 

ちなみに、私立医学部は、共通テストなどの多くの科目で高得点をとりきるようなバランスの良い学力は必要ないので、数学、理科、英語あたりだけに科目を絞って、共通テストをがん無視して、各医学部の傾向をしっかり熟知して受験することでなんとかすることもできるのかなと思います。ただ、レベルが高めの私立医学部についてはそんなに甘くはないなとは思っています。例えば、関西医科大学や大阪医科薬科大学を私立医だから全然学力低いけど受かるかなと思っている人は大きな間違いだと思います。

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