恒等式の係数比較できるのはなぜ?
松谷です
たまには少しだけ数学の話題でも。
axn+bxn-1+cxn-2+…dx+e=0
がxの恒等式のときに、a=b=c=…=d=e=0となります。
こんな感じで、多項式が恒等式であるとき係数比較ってできますね。
なぜでしょうかね。
まず、簡単な例で考えてみます。
ax+b=0がすべてのxで成り立つとします。
そうしたら、当然x=0でも成り立ますから、b=0じゃないとだめです。
てことは、ax=0という式になりました。
さらに、x=1でも成り立ちますから、a=0じゃないとだめです。
逆に、a=0,b=0としたとき、0x+0=0となりますから、これは当然すべてのxについて成り立ちますね。
では、これをもう少し一般化して説明することどうなるのでしょうか
axn+bxn-1+cxn-2+…dx+e=0
がxの恒等式のときに、a=b=c=…=d=e=0となることの説明ですね。
まず、恒等式っていうくらいだから、全てのxについて成り立つわけですね。
そうしたら、異なるx=xi(i=1,2,3,…n,n+1,…)で成り立つと言えますね。
左辺をf(x)とおくと、f(xi)=0となりますね。
とりあえず、i=1,2,3,…nで成り立つ時点で、左辺は、因数定理により
(x-x1)(x-x2)(x-x3)…(x-xn)を因数に持つことなります。最高次の係数をaとして、
f(x)=a(x-x1)(x-x2)(x-x3)…(x-xn)とかけますね。
しかしながら、f(xn+1)=0も成り立つわけですから、上式に代入すると、
a(xn+1-x1)(xn+1-x2)(xn+1-x3)…(xn+1-xn)=0となります。
しかしながら、xn+1はxi(i=1,2,3,・・・n)と異なります。
てことは、a=0じゃないとあかんわけです。
そうしたら、f(x)=0×(x-x1)(x-x2)(x-x3)…(x-xn)つまり、f(x)=0なわけですよね!
てことは、係数全部0というわけですね!!!
ほかにも、n次以下の方程式なのに、n+1個解を持ってるので、恒等的に0でない限り矛盾みたいな説明もありえます。(x-x1)(x-x2)(x-x3)…(x-xn)(x-xn+1)を因数にもつことまでいっておいてn+1個因数を持っているのがn次式であることに矛盾するなどということもありますね。
ちゃんちゃん。
これで安心して、恒等式を使えますね~。
しかも、多項式じゃないと係数比較が怖くて使えないことがわかりますね。
論拠にしてる因数定理(や代数学の基本定理)が多項式(やn次方程式)をもとにした話ですからね。
例えば、asin2θ+bcos2θ+c=0という式がすべてのθについて成り立つと言われても、a=b=c=0とは限らないわけです。a=1,b=1,c=-1とかもありますからね!!(k,k-k)でいけちゃいますね。
asinθ+bcosθ=0なら、a2+b2=0じゃないとすると、合成して、√(a2+b2)sin(θ+α)=0となるが、左辺はθに伴って変化するので一定の値にならない。よって、a2+b2=0すなわちa=b=0。と結局予想通りの係数しかありませんけどね。
必要性からせめて、θ=0のときb=0っじゃないとだめ。θ=π/2のときa=0じゃないとだめ。逆に、a=b=0のときは、θがなんであっても0になるみたいな示し方でもいいですけどね。
まあ誰もあまり興味がなさそうな話ですが(笑)!!
よくぐちぐち文句を言っているただの素人ブロガーになってきてしまっているので(笑)、
一応塾講師やっているという風に見せておこうかと(笑)